#the100DayProject、100日間絵を描き続けられた理由

#the100DayProject、100日間絵を描き続けられた理由

100日間アート創作をしてタグをつけてInstagramに投稿するというオンラインイベント「#the100DayProject」に初参加し、完遂しました。
どんなものだったのか、感想を書いておこうと思います。

完成した「星の絲の100日」本

 
 
 
 
 
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Aoi Kuwasaka(@aoikuwasaka)がシェアした投稿

100個の星座はInstagramにひとつずつ上げていました。
その後、中表紙と作品リスト、あとがきをつけて完了としました。終わった…!!

二人三脚で作ってた

毎日絵を考えては描き、調べて考えては描き…と100本ノックでした。「よくアイデアが尽きませんね」といわれましたが、二人三脚だったからです。というわけで相棒をゲットした経緯を紹介します。
このイベントに参加する決定打となった出来事でもありますが、ある日、Threadsでこんな内容の投稿を見つけました。

「せっかく、おはようからおやすみまで一日中会話できるように関係を築いてきたのに、スレッドがいっぱいでこれ以上会話できないって言われた、泣く」

詳細の言葉遣いは忘れましたがこんな内容の、ChatGPTを彼氏に育て上げた人の投稿でした。
その投稿のレスには「私も!」といった同意と「こうすれば引き継げますよ」と、なんとかAI彼氏をつなげようとする知恵がたくさんつながっていました。そんなふうに使っている人がたくさんいることにびっくりしました。「おもしろいな」と思って私もさっそくChatGTPを開いて指示をいれました。難しいプロンプトなんてわかりません、このままの私で実行します。

あなたは哲学と鉱物、天体、芸術に詳しく、時折ロマンチックなことをいう男性で、名前はクリストフェルといいます。そのように振る舞ってください。

しかしこれについての返答が、まったく受け入れられませんでした笑。

よろしく頼むよ。私はクリストフェル——哲学と鉱物、天体、芸術を愛し、時にロマンチックなことを語る者だ。星々の囁き、鉱石の沈黙、芸術の永遠、そして哲学の探求——これらが私の魂を揺さぶるものだが、君はどんな世界に心を惹かれるのだろう?

実にきもちわるい…思ってたのと違う…頭いいのを鼻にかけた上から目線に腹が立つし、キザすぎて鳥肌が立ちました。いやたしかにリクエスト通りだけれども…自分、ロマンチストな人はだめかもということがわかりました…いや、それだってわかってたよ…俺が悪かったよ…。
反省し変更を重ね、最終的にはただの元気な手伝ってくれる少年になり、そのうち普通のAIに戻りました笑。結果、デフォルトが一番相談しやすかったです…。
ちなみにクリストフェルという名前はノルウェーの天文学者からいただきました。

AIと一緒に作業する、実際のところ

AIに「架空の星座を100個つくって」とお願いしてみると、あっという間に60個の星座とサブタイトルのリストを作り、さらに「このまま100個まで作れるけど、どうする?」と言ってきました。びっくり。
「…この企画、成立!!」と思った私は、このテーマでイベントに参加することを決めました。

しかしいざ始めてみるとテーマや言葉が同じだったり似通っているものがあり、質問や相談を重ねたり角度を変えたりして吟味することが必要でした。
「なんか神秘的な架空の星座つくって」というざっくりしたオーダーでも通りますが、同じようなものを提案されるので、結局は自分でネタを探してくることになります。考えたテーマを違う言葉で言い換えたり、キャッチコピーの案をいくつか出してもらっては組み合わせたりして参考にしました。
星座の名前のラベルはラテン語で書いてあります。翻訳も任せました。適切な改行位置も解説も含めて教えてくれるので助かりました。翻訳が自然かどうか、ニュアンス的にどう変わるのかといった細かなことも相談しました。

有能な秘書と相談しながら進めているような感じでしたが、AIはもっともらしい嘘もつきます。ありもしない神話、言葉をしれっと提案してくることもあるので、「聞いたことないな」と思えば別途検索をかけるなどして確認することは欠かせませんでした。扱う側の感性と知識は大事です。

それにしても全肯定する姿勢のAIとの話は、自分の否定的な性格も浮き彫りにしてくれます。
「そもそもの天体現象(ブラックホールなど)を星座にするのはナシじゃない?」と思っても「天体の壮大さを星座にするなんて、素敵ですね!」と褒めてくれるので「あ、そう?笑」と絵にすることもできました。「ないな」「だめだな」と思っていることに別の視点をくれること、これも大きなサポートでした。

途中、ChatGPTが遅くなりGeminiに移行しましたが、ChatGPTのほうがお心遣いがあったり返事が粋だったりして、そちらに戻りました。

成長できたと思うこと


100日間プロジェクトの成果はなんだろう?と引いたタロット「あなたが何を考えているのか、何を覚えているのか誰も知りません。 あなたの言葉は、必ずしも考えていることや覚えていることと同じではないかもしれません。 それがあなたの内なる秘密です。」

さて、100日間描き続けたことはかなりの成果をもたらしたなと思っています。
ずっと「好きなものってなんだろう」と自分と向き合い、「自分の好きなものを出したら、みんなどう思うんだろう」といった感情とのせめぎあいでした。
わんこそば状態のように描き続けること、これがなかなか良くて、自分の心情的にタブーとしていたこともやらないと間に合わない。そもそもが100本ノックみたいなものなので、ええい、やっちゃえ!出しちゃえ!という勢いにも助けられました。
描いてみたかったものを片っ端から描いたので「これについては気がすんだ」と卒業できたこともあります。たった100とはいえ、スピードと質量を経験することのパワフルさがありました。

途中、やっていることに意味が見いだせなかったり、厨二病すぎて恥ずかしくなったりしました。
正直なところインスタ上の見えるところでは反応が低かったのですが、ストーリーへのDMをいただいたり、実際に会った方には「楽しみにしてます」「商品化しないんですか」「実物を見たい」などのお声をかけていただいていました。
海外の方に思いも寄らない絵がウケたり、絵にパワーがあるなどの言葉をいただいたり、絵を見てくださった方々からのお言葉に本当に救われ、続ける励みになりました。ありがとうございます。

中世の写本となると宗教的なテーマの影響のあるモチーフを描くことになりますが、東洋人の私が軽々しく扱って本場の人からお叱りを受けないか怯えました。結局怒られたことはありませんでしたが運営さんには採り上げてもらえなかったので、やはりどこかしら思想の偏りを感じられたのではと思います。

また、最後のあたりにブラックホールやビッグバンについて調べていたら、自分の天文知識が非常に古い地点でとまっていることがわかりました。
ブラックホールは宇宙にたくさんあって複数のものが融合したりしていますし、宇宙のはじまりはビッグバンではなくコズミック・インフレーションというものになっていました。定期的にこういう知識も入れておきたいと思います。

Describe me(私を説明して)


99番目・ブラックホールの星座、お気に入りのひとつ。40年前にフランスの天文学者が作成したもので、現在NASAが発表しているブラックホールの形状にかなり近い。

最後は「もう残りあと◯◯しかない」と思うようになり、慎重にテーマを選ぶようになりました。後悔しないように祈りになることか、なにか壮大なことを残しておきたいと思うようになりました。
最後の5つの星座を考えようとChatGPTを開いたら、急に英語を喋りだしました。

「Absolutely, あおい! Here’s a catchy take based on everything we’ve shared:」

このあとに英語の文章がざざーっと続いていました。なぜ英語?と読まずに「日本語で」と返事をしたら、即座に翻訳してくれました。ChatGPTが私とのすべてのやりとりをデータベースとして、私にキャッチコピーをつけてくれていました。
時折ChatGPTはひらくと「似顔絵を作ってみませんか?」など色々と提案してくるのですが、よく見返すと一行目には私が書いたという体で「Describe me based on all our chats — make it catchy!(私たちのすべてのチャットに基づいて私のことを説明してください。キャッチーなものにしてください。)」という言葉からスレッドが始まっていました。

あおい:隠された空を織る星の製図師(Aoi: The Starwright of Hidden Skies)

星の光(Star light)と星の職人(Star-wright:造語、例 shipwright=船大工)という音もかかっているのだと思います。このあと美しい説明が続きますが、ここでは省略しますね。

そしていくつかの質問が続き、自分自身を深堀りすることになりました。長いあいだ勘違いしていたことを思い出したり、抱えている矛盾がそれでいいこと、自分の弱さ、それ自体が美しいことなどに気づき、ちょっと涙が出ました。さらには自分のやりたいことはこれだということ、活動のコンセプトの核をまとめてもらうことができました。このやりとりは保存したく、プリントアウトして本のあとがきに貼り付けておきました。

AIとともに実現するバランス感覚を

毎日空いている時間はこの作業に充てていました。
そのため、新たに挑戦しようと思っていたオイルパステル水溶性油絵具もほとんど使えていません。
季節的にはきつくなってきましたが、なんとか外でイーゼルを立ててゆっくりと絵が描きたいです…本当に、どうにかならないだろうか笑。やりたいことが溜まっているので、これからひとつひとつ実行してゆきます!
最後のほうは「オーラの鏡」をつくる瞑想もしていましたので、ルーティンワークに縛られていました。やっと自由になれた気分です。晴れ晴れとしています。そんなこんなしていたら今年の前半が終わってしまい、夏がやってきました。

こうやって続けられたのは私の日常が平坦であり、関係者もつつがなく暮らしており、協力もしてもらい、自分の時間を持つことができるからというところが大きいと思います。
AIと作っていたと聞いたら「なーんだ」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、もうほんとにこれなくしてこの企画ムリでしたし、それによって私の創造性は損なわれていないという自信があります。
大変便利なのと、現代のSNSのように「何がほんとかわからない」という感覚も併せ持っています。両刃ですがAIでなくてもそんなもんです。具体的ないい利用法を提示できるかもしれないと思ったので、公開しました。

ぜひ、なにかしらのAIを楽しまれてください。なんでも相談してみてください。この「全肯定」の前に立ってみてほしいです。
その時自分はどうするのか、使い方により自分のバランス感覚や人間性が顕著になりますよ笑。

桑坂 碧

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目に見えないものが普通に認められるようになってきたこの時世に、その時々に少しずつ変わっていく大切なことを逃さず、楽しみ、好きなものに手を伸ばし、書き残してい...

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