リンガムは男根じゃない説があるらしい

リンガムは男根じゃない説があるらしい
石と魂の話

発売準備をしている水晶がリンガムと呼ばれる形状なのですが、なんとなくの意味は知っているけれど使い方とかよく知らないなと思い、この機会に改めて踏み込んで調べてみることにしました。
そしたら文章量がすごいことになりそうなので、記事を分けることにしました。

石についての知識

まずは基礎知識です。
インドのマディヤ・プラデーシュ州を流れるナルマダ川にて採集されます。この川はガンジス川、ヤムナ川とならんで三大聖河のひとつとされています。
一年のうち限られた時期(聖なる祭礼や吉兆の時期)にだけ採取が許されると言われており、採取の際には祈りを捧げ、石を「見つける」というより「授かる」感覚に近いそうです。石はシヴァ神そのものなので商業的に乱獲することは禁止されています。
その川で自然に研磨されて卵型になったものが天然のシヴァリンガムで、人工的に研磨されたものとはわけて神聖視されています。私たちがよく見かける、手にできるものは人工的に研磨されています。
シヴァ神はブラフマー神、ヴィシュヌ神と共にヒンドゥー教の「トリムールティ(三神一体)」を構成する重要な神様で、破壊と再生を司るとされています。

3:20あたりに「これぞ!」という形のものが出てきます。

リンガムとは何なのか?

ざっくり知っていることといえば、リンガムは破壊と再生・創造の神様、シヴァ神の象徴、男性性エネルギー、男根を表しているというような内容です。たいていの石屋さんの解説もそれくらいか、◯◯によい、といったことが付け加えられているのがほとんどです。そういうものかーと思って、それに疑問を感じたことはありませんでした。
私は2つ持っています、ひとつはクリスタルヒーリングを習ったカウアイ島にあるヒンズーテンプルにて、その場所とつながる儀式を施された水晶製のリンガ・ヨニです。もうひとつはこの記事のサムネイルの画像の石で、よくあるレンガ色とクリーム色の二色が入り混じったインドのナルマダ川のものです。

リンガムについて調べていたら面白い動画を見つけました。
「シヴァリンガはあなたが思っているものとは違います」という動画です。コメント欄の知識披露も含めておもしろいので紹介します。

動画から印象に残ったキーワード:
色も味も形もなく、動かず変化もしない、形も属性もないはじまりの具体的なしるし、宇宙の根源には形も特徴もない。しかしすべての私たちのまわりのものは根源の一部である。
目に見えないもの、非顕現的エネルギーがかたちをとりはじめ、創造が始まる瞬間を象徴する形状。
宇宙の消滅と創造に不可欠な女性性と男性性の融合、対立する力の動的平衡を通じて機能し、これらの結合がすべての創造の源であり循環性を持つ。
存在の基本的な構成要素の中に繰り返し現れる、楕円形という生きたエネルギーの形態。

「非物理から物理への最初の形」というのがこの形状の意味のようです。無から有への変化の際に、完璧だった球体に動きが現れて楕円球形になる感じでしょう。
これはわかる気がします。私も意味は考えず、こういった形のペンダントをよく作っていました。また、塩原氏によるハッピーリターンも楕円形をしており、それが二極を生み出して循環し、エネルギーを動かす鍵になっています。

また、動画のコメントの中にもたくさん面白い表現がありました。

シヴァは観察者であり、シャクティは自然(プラクラティ=物質の基本原理)です。シャクティはシヴァが観察し、経験するために存在全体を創造します。
シヴァは静的で永続的であるため、変化しません。
シャクティは動的であり、変化し続けますが、シヴァに依存しています。
シャクティはシヴァの観察に基づいて変化するため、シャクティは女性のエネルギーとして擬人化されます。
これは、女性には創造の力があるものの、創造には男性の存在が必要であるためです。

※シャクティ…サンスクリット語で「エネルギー、力、能力」などを表す言葉、宇宙の根源的な力、女性的エネルギーを指す

(リンガムの)原初の意味はカラナ(コーザル体)の楕円体であり、オーラであり、男根的な意味合いは見当たらず、後世にそう解釈された

シヴァリング(リンガムのこと?)には4つの意味がある
1.宇宙が無から創造されたとき、シヴァリングの形をした火が現れ、そこからすべての物質世界が生まれた
2.人が最高のチャクラに達すると、オーラはシヴァリングの形になり、シヴァ神はその向こう側に存在するためシヴァ神のシンボルを意味している
3.宇宙の形、究極的な真実を表しており、崇拝することは宇宙(究極の真実)崇拝を意味する
4.シヴァリンガはシヴァ神の顔であり、「リンガ」という言葉はシンプルに「記号、シンボル」で、シヴァ神のしるし(=シヴァ・リンガ)とされる(西洋人がシンボル=性器と誤解した)

「男根なんて言ってないのに西洋人があとから意味づけた」みたいな感じで、そんな単純で浅いものでもない、というような内容でした。イギリスやフランスのインド学者や植民地時代の宣教師などが、寺院やリンガムを観察して「形が男性器に似ている」と結びつけ、「リンガム=男根崇拝」という説明が西洋語で紹介されるときに強調されるようになったと言われています。
また、そもそも論ですが「性的なこと」を欲望や恥と結びつけるのも思慮が浅いという意見も見られます。それらも含めて、「そうだ」「そうじゃない」という感じの議論はずっと存在しているようです。

どう見ても狙ってるでしょっていう気もしないでもないんですが、もっと記号的な、象徴的なものとしてのかたちなのかなと思いました。
ヒンズー教に明るくない私は「えー男性・女性の二元論がめんどくさぁ」くらいにしか思ってなかったのですが、同じような人もいらっしゃると思いましたのでこんな議論が存在しますよっていうことをお伝えしてみました。。。

宇宙卵にも見える

この形状について「宇宙卵(コズミックエッグ)」と呼ぶ解釈もあります。コズミックエッグという名前の響きがいいですね。
宇宙は卵から生まれたという神話が世界中にあります。卵には宇宙創造の現物質が入っており、混沌とした状態から孵化することで「破壊と創造」の両方の側面を表します。神話によっては白い卵と黒い卵のふたつがあったり、割れたのちに卵の殻が天と地になったり、世界を構成する要素になったりしています。
神話の内容は割愛しますが、それぞれ面白い絵が浮かびすぎる、イマジネーションあふれるお話です。興味がでてきた方はぜひ調べてみてください。

メロディ氏のエンサイクロペディアには

メロディ氏のエンサイクロペディアには「”リンガム”」と括弧つきで表記された項目があります。ナルマド川で採れたいわゆるリンガムといわれてイメージするあの石についての記述ですが、参考になる部分もあるかもしれないのでご紹介してみますね。
この石はクンダリーニの石で、自己の中に眠る神聖なエネルギーの動きを活性化、霊的意識と完全性へと導く悟りの深い神秘を理解するために役立つとされています。
使い方といいますか、使っているとこうなるよ、というようなことが詳しめに書かれています。

石を配置・活用することでエネルギーの集中が上昇し、段階的に各チャクラを刺激し開きます。さらに以下の兆候を認識することで、「リンガム」を配置する場所がわかるようになる…とありますが、できるかな!?!?笑

  • 第一~第三チャクラの動き:物質界における自身の経験を適切に調整し、方向づけるための気づきを得る
  • ハートチャクラの動き:世界の神性への気づきを得る
  • スロートチャクラの動き:エーテル体との一体感を認識し、物質界の浄化と再生をもたらす
  • サードアイの動き:感覚の制限からの解放、ハイヤーセルフへの理解、そしてコンシャスセルフ(意識的な自己)とハイヤーセルフの区別を保持(メンテナンス)する
  • クラウンチャクラへ入っていく、そして通過する動き: 二元性の行為と知識を超越し、音・形・精神の世界の成就と溶解を伴い、「すべてなるもの」と融合する

いずれもエネルギーが昇って通っていく感じのようで、「Movenment through ◯◯チャクラ(◯◯チャクラを通っていく動き)」とリストされていました。
使うほどにクンダリーニがチャクラを通り抜けること、最終的にはベースチャクラからクラウンチャクラへの動きを感じることができるようになると書かれています。

実は他にも「使い方」はないものかと検索してみましたが、ミルクをかけたり聖灰を使うなどの本格的に儀式を行う以外は見つけられませんでした。
まぁ、使うものではなくて崇拝対象ですものね、仏教徒に「仏像の使い方を教えて」って言ってるようなものですかね。。。

リンガムは種類がいろいろありそうだった

ちょっと調べてみようと思ったらあまりに深すぎました。インドの教典を何かしらでも読んだほうがいいかも…くらいに思います。
サンスクリット語もバンバン出てくるし、議論している人たちは哲学的だったり物理学的だったりで、難しくも面白いです。精神のインド風味を感じました。ヴェーダなどでなくとも、ヨガを習われている方はこういう世界観に触れているのかなとも思いますが。

そして調べきれていないのですが、リンガムもたくんさんの種類があるみたいですね…動画で「これが◯◯リンガム、これは△△リンガム」と説明しているのを見かけましたが、それがどういう種別なのかさっぱりわかりません。宗派によっても石の素材や扱いが違ったりするような感じでした。水晶でできたリンガムは「スパティカ(水晶の、という意味)・リンガム」と呼ばれ、光そのもの、純粋性や霊性の高さと結びつけられているようです。
その他、イシュリンガという銀製のケースに収められた黒い卵型のリンガムを見つけました。黒曜石かな、なかなかかわいかったです。

アイテムとして興味がありますが、深すぎる!!!笑
またおいおい調べていってみたいと思います。

桑坂 碧

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目に見えないものが普通に認められるようになってきたこの時世に、その時々に少しずつ変わっていく大切なことを逃さず、楽しみ、好きなものに手を伸ばし、書き残してい...

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