只今、クラッチペンシル(芯ホルダー)に夢中です
クラッチペンシルってご存知でしょうか。芯ホルダーとも呼ばれています。
もう昔からある筆記具なんですが、今になってはまりました。絵を描いている中でスケッチがしたくなり、じゃあと楽しむためにKawecoのスケッチアップを一本購入したら沼りましたのでご紹介します。
芯ホルダー周辺のツールについてはこちら
実際に描いているものはインスタグラムとTwitterでもアップしています。
目次
クラッチペンシルとは
2~5mmほどの鉛筆の芯だけをつかんで書けるようにした文具です。前述のとおり「芯ホルダー」とも呼ばれています。クラッチペンシルよりこっちの呼び方の方が多いかもしれません。
英語では芯のことを「lead」といい、それを支える芯ホルダーについては「lead holder」となります。
太径のシャーペンといってもいいのかもしれませんが、シャーペンのようにカチカチと芯を落とさずに少しずつ出す機構はなくて、ノック部分を押しっぱなしにしていると芯がするりと落ちていってしまいます。芯をつかむか、離すかしかないシンプル構造になっています。
芯の太さで呼び分けているのかと思っていたのですが、違うっぽいです。
シャーペンは芯を落とさない機構があるもの、芯ホルダーとクラッチペンシルは気を付けていないと芯が落ちちゃうものに対してつけられているように感じます。
では、ブランド別沼のご紹介です(笑)。
Kaweco(カヴェコ)
一番はじめに買ったKawecoは、5.6mmのスケッチアップ、シャイニークロームです。ずっと使ってみたかったやつ。
カヴェコ ペンシル 5.6mm スケッチアップペンシル クラッチペンシル CL5.6SC シャイニークローム5.6【シャープナー付】
なるべく濃い芯が使いたくて、丸善サムホルダー用の芯を購入して変えようとしたのですが、サムホルダー芯(6B)は5.8mm直径で入りませんでした。
最初についていた芯も5Bだそうで、今考えるとそんなに薄くはないんですよね。
ノック部分に芯を削るシャープナーがついています。
これがあると便利!ないのは困る!という意見が多いのですが、私はシャープナーは別で持っています。
このキャップ型の鉛筆削り器って、手が汚れるんですよ。
e+m(イープラスエム)
イープラスエムは木軸のクラッチペンシルをたくさん出しています。このブランドはドイツ南部のニュールンベルグ近郊で、1899年に木工職人のkonrad ehmann氏によって創業されました。
短いもの、長い物、鉛筆削りやペン立てのついたギフトボックスなどあり、樹種も様々です。
一番選び甲斐のあるブランドでしたが、国内に在庫が少なくなっている時期に盛り上がってしまいましたので、探して購入したり入荷待ちしたりしました。でもそれが楽しかったです。
YouTubeで海外の方がレビューしていることも多く、私も4本買っちゃいました…。
まずはベーシックなブナのもの、でもこれが描きやすいと海外YouTuberには好評でした。
e+m クラッチペンシル 5.5mm WorkM 木製 ナチュラル X916-1
e+mは作りはそんなに精巧ではなくて、軸の通っている穴がど真ん中ではなかったりするものもありました。これもそうなんですが、使っていて気にはならないです。
こちらのみ、表面をニス塗装されていたので研磨して素の木肌を出しました。2000~3000円くらい。
これのマホガニーのものを蔦屋の増田社長が使われていたとのことで、ビジネスのアイデア出しに良いのでは?と人気が出たようです。
e+m クラッチ ペンシル 5 5 mm セット workm 木製 ナチュラル x020-47
次に求めたのがこれです。ちょっと賭けでした。
アッシュ材が使われていると紹介されているのを見つけて、確かに見た目がブナとは違うな…と買ってみたものです。アッシュはタモやトネリコの仲間だそうで、インテリアに使われる他、スポーツ系の道具にも使われる材とのこと。ブナは白いけどこちらは黄色めで、木目が粗め。ラッカー塗装などはなく、そのまんま素の木肌でした。よい。
今はこれにコヒノールのマジック芯を入れて使っています。一番使ってるかも。気を遣わずに鞄のポケットにスケッチブックと一緒にぽん、と入れておけるので良いです。
セットになっていた芯削り器は使っておらず、しまってあります。そのうち使い込んだペンシルと比較してみたいと思っています。
e+m クラッチペンシル 5.5mm SCRBL 木製 ゼブラ XP1500-55
私が持っているのはもうちょっと全体的に茶色が濃いです。
海外のYouTuberさんが「個人的な意見だが、これは高価だが安いもの(ブナ)のほうが描きやすい」とやや強めの口調で仰ってました(笑)。
それで買うのを踏みとどまっていたのですが、樹種に興味があって結局手を出しました。彼が言うほど描きにくいことはなかったので、手の大きさの問題かなと思います。彼はこの軸がまっすぐではなく、弧を描いて細くなっていることが描きにくさの原因だと言っていました。親指の付け根にあたる感じが少し変わるので、そのあたりの具合の差だと思います。
木の感じは高級感があります。コーティングなし。木へのロゴプリントもなく、先端金具の部分にロゴが刻印されています。よい。
もうこれでe+mはいいや、と思ったんですけどね。
e+m クラッチペンシル 5.5mm Graphic レザー 1144-066
とてもかわいく紹介されているインスタグラムの画像を見ちゃって「これって、かわいいんだ…!」と目から鱗を落としているところに、販売店の割引クーポンが届きました。
また、なぜかそのお店ではもともとの価格も安くて、計算したら半額程度で購入できちゃうもんだから買っちゃいました。
すっごくかわいくて大満足!しかもこれはいい感じに育つぞ~壊れるなよ~!と大好きなんですが、とにかく重い!!です。
また、革をきれいに保ちたいので「鞄のポケットに粗雑にぽん」はできず、ナガサワ文具センターのキップレザー一本差しSサイズに入れています。ぴったりサイズです。
そんなこんなで野外でスケッチを描くのには向いてないかな~。屋内の文字やアイデアスケッチにはいいと思うので、デスクの素敵文具として必ず出しておいて、にぎにぎしてっていう使い方(?)になっています。
Koh-i-noor(コヒノール)
コヒノール 芯ホルダー 5.6mm マジック柄 KH5340
このブランドがクラッチペンシルにこんなに強いとは思っていませんでした。
というかおしゃれ文具ブランドだと思っていたら、違いました。1790年から続く老舗で、鉛筆メーカーからはじまったようです。以下、公式サイトより。
愛好家や専門家向けの高品質の画材、クリエイティブな子供用補助器具、事務機器、または愛する人への興味深いギフトを、4世紀にわたり幅広く、実績ある製品を提供してきました。
これはマジック芯という赤、青、黄色が一本になったコヒノールのお家芸のような芯がありまして、それが入っている芯ホルダーになります。
軸の色柄は同じではなく、個体差があります。うちにきたのは青色は入ってなくて、オレンジ~黄色~緑のものでした。
この芯が個人的には大ヒットで、これがあるからスケッチの楽しみが続いています。下手でも、そんなに追い込んで描きこまなくても、面白い絵になってくれるんですよ(笑)。
今はこの芯をe+mアッシュ材に入れているので、このホルダーはお休みしています。
鉄分強めで重いです。そう、木軸はとても軽いんです。
Koh-I-Noor Hardtmuth mechanical pencil 2.5mm, made of Wood
日本の方で、使い倒して味わいが出まくっている軸を紹介されているブログにあたり、素敵…となり購入しました。
Amazonでは高いです。私はEtsyで販売している海外のお店から購入しました、送料込みで2000円しないくらいでした(現在は取り扱いされていません)。
これは長くても木軸のせいか、軽いです。そしてとにかくかわいい。
また、この軸は懐が広くて2mm~3.5mm芯まで対応するそうです。もともと入っていたのは3mmほどの芯だったと思います。
2mm芯はユニやステッドラーといったブランドの芯が豊富なので、選び放題なのも良いですし、きりがないですね。
北星鉛筆(きたぼしえんぴつ)
北星鉛筆 大人の鉛筆 B/2mm 芯削りセット OTP-680NST
国産のクラッチペンシル…というよりは太芯シャーペンです。
こちらはカチカチとボタンを押しても一定の長さの芯が出てくるシャーペン構造で、芯が落ちません。クラッチペンシルばかり使っていると、こういった構造がかなり便利に思えます。
コヒノール木軸が来るまでの間に、2mm芯を使ってみようと思って買ったんですが、とても使いやすくて探求しちゃいました。
細かい絵を描くのに、私にはこのB芯がちょうどよいです。
買ってみてからわかったのですが、消しゴム付きは軸が六角形ではなく三角形でした(良い)。
そして私は軸の長さは短いほうが使いやすく感じました。
調子にのって一本目の長いやつものこぎりで切ったんですけど、それはやめておいたほうが良かったです。ノック部分が長く出るようになってしまって、あまり見栄えが良くありません。電動ヤスリで中の塩ビパイプを短くできれば、かっこよく収まると思いますが…。
ハイタイド ペンコ プライムティンバー ブラス 2mm 芯ホルダー ホワイト FT122
三本目はハイタイドさんから出ているものですが、こちらは金具がブラスなんですよ。このブラス金具を二番目の短い軸に合わせて、現在はこうなっております。
軸はやすりをかけてニス塗装をはがして素の木肌にして、ブラス金具をつけました。使い込んで味わいを深めてゆけたらいいなと思っています。
もともとは月星鉛筆という名前だったのが関東大震災で被災して廃業、その後、北海道の北をとって北星と名前を変えて引き継がれたそうです。詳しい話はこちらに!
偶然にもこちらで月の絵を描いてTwitterにアップしたところ、北星鉛筆の代表の方に教えていただきました。
北星鉛筆の前身は月星鉛筆。
月星鉛筆が関東大震災で被災、北海道に疎開してそのまま廃業。
その後を引き継ぐ時に月星の月を北海道の北に変えて「つきぼし」から「きたぼし」になりましたとさ…月の絵!!
なんか凄い偶然✨ https://t.co/fwEYcFG7uV— 下町の鉛筆屋✏️杉谷龍一 (@kitaboshi_) July 4, 2022
Cretacolor(クレタカラー)
Cretacolor Wooden 5mm Clutch Lead Holder by Cretacolor
コヒノールさん、北星鉛筆さんと並んで、オーストリアの老舗鉛筆ブランドなのだそうです。
フンデルトヴァッサー、シューベルトやモーツァルトなどの芸術家たちが使ったといわれています。さすがオーストリア。
これも日本で買うと高いので、アメリカのAmazonでカラー芯とともに購入しました。芯はAmazonレビュー通り、ケースも中身もバッキバキに折れてました(笑)。
ペンのほうは見た感じ「でか!」と思ったんですよね。大きな絵とか、画用紙にデッサンはいいけど、私みたいに小さく描いてるのには不向きか…と思いましたが、さすが絵のために開発されているだけあって、使いやすいです!気になりません。でも本領発揮は、四つ切りとか八つ切りの画用紙かなと感じます。手を大きく動かしたくなります。
アメリカAmazonの商品紹介ページにある動画を見ると、芯をかなり長く出しててびっくりするんですが、絵はとても描きやすくなります。おすすめです。
かなり持ちやすくて、他の木じゃないものも気になってきました。
おかげでスケッチ習慣が続いています
クラッチペンシルを使うのが楽しいのと、これで描くと下手な絵もいい雰囲気に見えてくる気がして、犬散歩の時にする3分スケッチがもう3か月も続いています。
ちゃんとスケッチブックを一冊終わらせることができそうなので、嬉しいです。
道具にこだわったり楽しんだりする趣味って、私の中では「上達しない」と思ってるんですけれども、このまま楽しみつつ上達していけたらいいなと願っています。
また、e+mのクラッチペンシルは芯をボールペンにするアタッチメントが出ていますので、ペンシル使いしなくなったらそういうものに替えて使っても良いかもです。
長くなりますので、芯やスケッチブックの話はまた別に投稿しようと思います!