豆がま口ペンダント、新しいサイズが登場。
ハッピーリターンを手にして、持ち歩くのに豆がま口ペンダントに入らないかなと思って入れてみました。
「あれ?閉められる?革が伸びる?もう少しで入るぞ!」とグイグイ押し込んだら、金具から革が外れてしまいました…壊してしまったのです。がっかり。皆様もお気をつけください…。
そこで革職人さんにお直しをお願いすると同時に、大きめのものができないか相談しました。
目次
ハッピーリターンの誤算
素人的には「ちょっと下に伸ばせばいいんじゃないの?」と思ってしまいますが、職人さんからは「型紙をつくって試作してみますので、少しお待ちください」と丁寧なご返答がありました。
サイズを変えるとひとくちに言っても、そんなすぐにできることではないということを知りました。
こちらからは私物のハッピーリターンの実物大のモックを作り、壊してしまったペンダントと一緒に送りました。そして試作品が完成し、確認して進めることになりました。
その後の大誤算。
塩原氏から「ハッピーリターンができました」と連絡をいただき、初回の仕入れを行ったのですが、もう皆さんご存知の通りサイズが一定ではなかったのです。大きめのものから小さいものまで、いろいろありました。
大きいものは(お菓子の)ハッピーターンを超えて小判のようでもありました。
実は私はこれを想像してなかったんですよ。厳密なサイズ規格があって、同じサイズで出来上がってくると思いこんでいたんです。
自分のと塩原氏のしか見たことがなく、塩原氏のハッピーリターンは少し大きめ・ごつめだったのですが「最初に作るものは研磨しすぎるのを恐れて大きめになってしまう」「あるあるですね、わかります」という会話をしたので、「すべて私が持っているくらいの大きさになるのだろう」と思ってしまっていました。
仕入れ時に聞いたことですが、ハッピーリターンとしてワークしてくれる「縦×横×厚み・丸みの比率の範囲」があり、原石の形状を踏まえてその比率の中で作られているとのことでした。無駄なく作ろうとおもったらいろんなサイズができますよね。。。
あちゃーと思いましたが、ハッピーリターン対応でなくても2サイズ展開だと入るものも増えますし、がま口も首からさげる大きさには適正があるでしょうから、そのままプロジェクトは進行させました。
スペック紹介
今まで通りのレギュラーサイズも作ってもらいましたので、ラージ(内袋あり・なし)とレギュラー(内袋あり・なし)の4種類で、様々な色で合計10個作ってもらいました。
出来上がったのが今回のこのサイズです。豆がま口部分を測っています(チェーン含まず)。
種類 | レギュラー | ラージ |
---|---|---|
寸法(口金含む) | およそ45mm×75mm | およそ47mm×85mm |
重量 | 内袋なし:約15g 内袋あり:約17g |
内袋なし:約16g 内袋あり:約18g |
どちらもほぼ同じ幅なので、レギュラーのほうが少しコロンとした印象があります。
その他の仕様は前回と同じ、表はミネルバ革、一枚革仕立てのものと、スエードの内袋のあるものがあります。
こちら一枚革、表に使っている革のみで仕立てたものです。
こちらスエードの内袋付き、開きも少しかたくなります。無理に広げないで、使ってゆきつつ、柔らかくなるのを待ちながらお使いくださいね。
ミネルバはイタリアの高級革で、革の中でもじっくり育てて楽しんでいただけるイタリアの高級革です。たくさん触って時折柔らかい布で磨いて、味わいを深めてください。
金具の色は銀と金古美です。
今回のものはふっくら立体的なので、入る石も増えたんじゃないかと思います。
また内袋の革の分厚さだけ内寸が狭くはなりますので、一枚革のもののほうが容量は大きめです。革も部位によって硬さや厚みも微妙に変わってきますので、個体差もあります。その点はご了承くださいませ。
どれくらいの石が入るのか
どれくらいの石が入るのか、いろいろやって測ってみましょう。
まずは私のハッピーターン(60mm×26mm×8mm)です。結構キワキワの入り方、がま口の金具部分の内寸が約3cmなので、それ以下のサイズの石なら入入る可能性・大です。
それでは、他の石たちで入ったものの紹介です。ちょうど目安になるようなホワイトアメシストのタンブル(塩原氏磨きではありません、販売予定)と、私物のファーデン水晶、アクアマリンカボションです。
これらの、一番大きなホワイトアメシストは内袋付のものには入りませんでした。ころっと厚みがあるからでしょう。二番目に大きなサイズのものは入ります。がま口の口金付近にあたる部分が薄ければ、収まりやすいです。
ファーデンクリスタルとアクアマリンカボション、小さなロシアンレムリアンは内袋付でも入ります。石のサイズ感は以下の通りです。
左から
ファーデンクリスタル:63.7mm×25.8mm×12.5mm
ホワイトアメシスト大:50.6mm×25.8mm×27.0mm
ホワイトアメシスト中:46.1mm×25.9mm×22.1mm
ホワイトアメシスト小:44.8mm×23.9mm×20.7mm
ロシアンレムリアン:53.1mm×25.8mm×18.8mm
アクアマリンカボション:45.5mm26.9mm×16.3mm
インスタグラムではレギュラーサイズのペンダントにブッケンハウトジャスパーのタンブルを入れています。そちらのサイズも記載しておきます。
30.9mm×28.8mm×16.8mm
着用したらこんなかんじ
ラージサイズ
レギュラーサイズ
一緒につけてみました、小さいほうはチェーンを短めのところで留めています。10cm減の調節が可能です。
こちらレギュラーの赤
こちらラージサイズの黒です。
レギュラーもラージも、それぞれかわいいです。
袋が大きくなれば大きめの石が入りますが、それだけ重さも出るので、首から下げると気になるようになります。勢いよく方向転換すると、石をぶん回すことになりかねないですしね。遠心力も高まります、あまり勢いよくターンすると危ないです。
私自身は慣れてそのまま一日を過ごすこともありますが、重さを感じる日は移動時は首にかけてそれ以外は外して机に置いて…というようにしています。
どちらにしても持って歩く石に袋があるのは安心で、石の寝床、専用ケースのように使えるのが楽しいです。
色の紹介、革は経年変化します
いろんな色で作っていただきました。気になる色のがま口がございましたら、お手に取られてみてくださいませ。
上の段・左から:カーキ、紺
下の段・左から:生成(内袋あり)、黄、焦茶(内袋あり)、赤
ラージサイズは黒、生成(内袋あり)、茶(内袋あり)、青緑の4点になります。
革はすべてミネルバ革で、使うと味わいある深い色になり、艶がでてきます。
「ミネルバ 革 経年変化」と画像検索すると、それぞれの色の変化が見つかると思います。
こちらは同じミネルバ革の手帳、左が買った直後で右が10ヶ月後の写真です。今は3年経っていますが、最近あまり触っていないので、色はさほど変化なし、ツヤ増し、角が丸くなってきています。
もっと使い続けると、焦茶くらいに変化します。革表面のぼつぼつ「シボ」があるものをミネルバボックス、シボの無いつるっとしたもの(今回でいえばラージ青緑など)をミネルバリスシオといいますが、ミネルバボックスでもあまりシボのない部分の革もあります。
これはブレイリオのM5手帳ですが、この手帳ブランドはこの革を使ったシリーズを出されていて、購入した際にその会社の方にお手入れについて聞きましたが「何もしなくていい、触ってあげていれば大丈夫」と言われました。
私はこの革が大好きです。
使用一年後の表紙に斜めに走った傷があります、ここにインクを落としてしまい、強くこすって取ろうとして、このような傷になってしまいました。シボを潰すようなこすり方をしますと、このような跡になってしまいますのでお気をつけください。…これも使ってゆけば全体が焦茶になって、わかりにくくなるのではと希望は捨てていませんが。
長くなりました!
それでは、販売作業を続けたいと思います。
どうぞお楽しみに。。。
バッグチャーム的に使う【追記:2022/10/18】
肩こりが気になり、小さな石のペンダントも無理な時期に、長いチェーンを外し、一番短いチェーンだけ使ってバッグチャームのように改造していたことがあります。
ベルト通しに通して、ポケットに入れるでもいいですし、これはこれでかわいいです。
改造したいと思われましたら、お直しいたします。
(通常のブレスレットお直し手数料550円と往復の送料をご負担ください)
修理について【追記:2023-03-24】
冒頭にございますように、無理に石を押し込むとうに使うと、口金から革がはずれてしまいます。なるべくはそんなことがないと良いのですが、その際の再接着の修理は可能です。
また、ずっと使っておりますと口金部分のニスがはがれてくることがございます、その場合は口金の交換もいたしております。
なにかございましたら、職人さんに聞いてみますので、ご相談くださいませ。
水にご注意ください【追記:2023-03-29】
生成と茶色は目立つのではと思いますので、記載しておきますね。
水しぶきなどが革の表面について、そのまま放置しますと、その部分のみ水染みができ、水玉模様のようになってしまうことがございます。
お手を洗うなどの際には背中側にペンダントを回すなどして、ご注意くださいませ。
もし水を飛ばしてしまったら、なるべく早く(本当に1秒でも早く)全体を水に湿らせて、水玉の輪郭をぼかすという方法があります。
油分の強い革なので、なかなか他の部分が湿ってくれないと思いますが、柔らかい布に水を浸すなどして、その布で優しく、根気よくなでて全体を湿らせていくようにしてください。
結構、湿りません。だからといって、こするように濡らすのはNGです!上の私の手帳のように、そんなに強くこすったつもりはなくとも、その部分にこすり跡がついてしまいます。
もちろん革を水に濡らすことはあまりよくないことなので、奥の手、絶対に優しく行う心積もりで試されてください。
水玉がぼかせたらそのまま乾かし、乾いた後にもし革がカサつくようでしたら、ラナパーなどの革に油分を補うクリームを塗ってあげると良いでしょう。
革と状況によりましては、これをやっても水玉がうっすら残ってしまうことはございます。
その際には使っていく上での味わいのひとつと考えて、時間をかけて飴色に育て、目立たなくしていく方向に意識をチェンジしていただければと思います。。。
こちらは気づくのが遅くて、全体を濡らしたものの水染みが消えませんでした。めげずに使い込んでいこうと思いますー。
▶ これまでの「豆がま口ペンダント」についての投稿はこちら