トイカメラ出身の私のカメラ遍歴

トイカメラ出身の私のカメラ遍歴
暮らしの必需品

最近、エモい写真が撮れると話題のKodak FZ55を手に入れました。
買うかどうかかなり悩み、いろいろと動画を見ていましたら「これ、フィルムカメラで撮った写真みたな画像が撮れるんですよ。まぁフィルム使ったことがないんですけどね」と話しているYouTuberを見かけまして(若くはなくて、年齢的にはフィルムを使ってそうな昔ながらのカメラマニアだと思ってた)、「ええええ!笑」となりました。
そして自分は何を使っていたかを振り返ったり、現在のフィルムの金額に驚いたりして、めっちゃ語りたくなりました。
知っている人には懐かしく、知らない人はまったくわからない話題かもしれません、すみません。

LOMOから始まった

私は「写ルンです」を一般家庭で普通に使っていた世代です(女子高生の流行りではなく)。
カメラを意識し始めたのは20代半ばの頃で、カフェを経営してお店に立っていた頃でした。

お客様が「これ使ってみてよ」と、これから流通させようとしていたLOMO LC-Aを一台持ってきてくれました。
その当時はその方の会社E&Yと、後にロモグラフィージャパンとなる会社の2箇所から買えたんだったと思います。それが自分で所有するはじめてのフィルムカメラでした。
パッケージがとてもかわいくて、なんだろう!?と開けたらカメラで、「えっ、予想外…使えるかな」と思ったのを覚えています。
それでも使っているうちに気に入って、1台目が壊れて、2台目に交換してもらったように記憶しています。そしてロモに続いてディアナなども人気になり、トイカメラはブームになっていきました。

LOMOで撮った当時のカフェの様子の写真を少しだけデータ化してアップしてあります。貴重な思い出です。こちら

トイデジ+フィルム時代

それからデジタルハリネズミというかわいいトイデジにはまりました。このカメラはプロモーションが上手かったです、このカメラがあれば生活がガラリと楽しくなるような気分にさせてくれるものでした。
Vista Questシリーズというキーホルダーのような小さなカメラと共に、バージョン違いで揃えたりしました。

また、同じ時期にGakkenFlexという「大人の科学」というムックの自分で組み立てる二眼レフのフィルムカメラも愛用していました。
バシャッとシャッターをおろす感覚が最高でした。以下はGakkenFlexで撮ったものです。


シャッターが降りるのが遅くて、おじいちゃんが歩いて入ってきちゃったんですよね。「あっ!」と声が出てしまったのですが、おじいちゃんはそのままスタスタと歩いていってしまいました。
ニ眼レフは周りの人から見たら、写真を撮っているようには見えません。上からカメラを覗き込んで撮るので、ただうつむいて手元の黒い箱を見ているように見えます。「カメラであなたいるの方向を狙ってますよ」感がありません。周りの人に「撮られている」というプレッシャーは感じられにくいと思います。いいところでもあります。

ハーフカメラはフィルムの一コマを縦割りにしてニ枚撮れるカメラです。つまり、36枚撮りのフィルムで72枚の写真が撮れます。失敗を恐れずにシャッターが切れるので、こちらも大好きでした。
ペンFAGATというカメラを使っていました。以下の写真と、この記事のサムネイル画像はAGATで撮ったものです。

それにしてもボケてますなー笑、自分で距離を測って適当に焦点をあわせるので、だいたいずれます。

トイデジは大抵、撮った写真をその場で確認できない仕様でして、パソコン等にマイクロSDカードをつなげる必要がありました。
フィルムは現像に出して仕上がるまで一週間くらいは待たなくてはいけません。どちらもすぐには見れませんし、ほぼ撮影は失敗する(フィルム一本によい出来の写真が1~2枚あればよし、という精神)ので、複数台持っていってあれで撮ったりこれで撮ったり…としていました。
当時のスマホはイヤホンジャックしかなく、外部ストレージを簡単に直結させるような手立てはありませんでした。しかしその当時使っていたAndroid端末には、ありがたいことに電池パックの横にマイクロSDを差し込む挿入口があり、外出中でも見ることができていました。

セブンイレブンのフィルム現像サービス終了

セブンイレブンで現像+プリントを受け付けてまして、フィルム一本700円(何枚とか関係なく)という値段で受け付けてくれていました。
いつも行くコンビニ、いつも会うお兄さんに「こちらで間違いないですか」とできあがった写真をささっと見せられて、お店の人と私の二人で、間違いなく自分の写真かどうかを確認しなくてはいけないのが恥ずかしかったです。
変な写真を撮っているわけではありませんが、私生活を見られるような気がしましたよね。フィルムを現像に出すってそういうことなのですよ。今の時代ではちょっと考えにくいかもしれません。

一度オンラインでフィルムをデータ化してくれるサービスを利用しましたが、結構ひどい仕上がりでした。
それはそのサービスが悪かったのではなく、セブンイレブン受付の現像をしてくれていた人(フジカラーだったらしい)が、たまたま私が好ましいように仕上げてプリントしてくれていたからだとわかりました。
結構ショックでしたし、そんなにしてくれていたのに安価だったこと、その方々にお礼の伝えようもないということに寂しさを感じました。

フィルムが一本400円~800円くらいかな…現像が700円だったので、1500円くらいで待てば仕上がってくるくらいの感覚でした。それでも高いと思ってました。
フィルムはコダックのEktar100、Portra400が好きでよく使っていました。
かわいい写真はみんなフジカラーNATURA1600で撮られたもので、憧れていましたがその当時から高くて、私は買ったことがありません。

同じく「フィルムが高い」でこれまでまったく手を出してこなかったのがインスタントカメラです。
一台も所持したことがありません。一時期、チェキEvoが欲しかったのですが、フィルムが手に入りにくいと聞いて諦めました。

デジカメに移行

その後デジカメに移行しますが、基本的にはイベント時の記録のためと商品撮影用に会社で購入したものを使っていました。
GR2、Lumix GF2、いずれも追加レンズをつけてもいいので、マクロで寄れるかどうか(天然石撮影のため)を気にして選んでいました。
当時は天然石の売上もあまりなくて、イベント記録用カメラを商品撮影に使わせていただいているという感じでした。なので高価すぎず、一眼レフでもないけど、ある程度いいものをという選択でした。

そして仕事以外で撮りたくなって、SIGMA DP2xを購入しました。これは今でも好きで、実はこれでしかRAW現像は体験していません。
このカメラはだいたいブレるんですが、ピンとが合うとものすごく鮮明な画像が撮れます。商品とともに送っている写真には、このカメラで撮ったものが何枚か入っています。


ぶれてるか…笑。
このカメラ、充電器がどこにいったかわからなくなっておりまして、電源が入れられないようになっています…いつか出てくると信じています。

石が売れるようになってきて、一眼レフを購入してもらえるようになりました。
憧れのNIKON、そして時代にあわせて「動画撮影に強いカメラがいいのでは」とのことからSONYのαシリーズへと移行していますが、まぁ…あまりよく知らないでよいカメラを選んでしまいました。
現在の商品撮影はα7IIIを使用しています。

知識レベル < 感覚

トイカメラ出身者の典型的な状態でお恥ずかしいですが、知識レベルは低いです。
写真撮影について教わったことがなく、撮って試すを重ねて、たまにどうしても解決できない問題があれば検索してなんとかしています。
絞りや焦点距離や開放などの専門的な知識は、なんとなく、人に説明はできない程度にふんわり理解しています。構造的な理解はあまりないです。このボタンをこっちに回せば明るくなる、という他の家電と同じレベルです。
写真を極めようとは思っていなくて、商品の状態が伝わるように撮れればいいし、楽しめればいいので、それでいいかなと思います。

カメラライフの魅力

ただ、石を撮ることは自分の中ではゾーンに入りやすいというかエーテル撮影できているような感覚の時があります。石と会話する時間でもありますし、こちらもめちゃくちゃ癒やされるので、大事ですし、楽しみのひとつです。
(それを考えたらモデル撮影のモデルさんって、パワー要るな…と思いました)

それでも時々、無性に暮らしの記録を撮りたくなります。
カメラのある暮らしって、自分のライフスタイルがよく見えますし、生活が楽しくなります。この点では手帳を使う感覚と似ています。

また、カメラはを扱うものなので、そのへんに惹かれているんだとは思います。
そういうものに対して人が積み重ねてきた努力と技術のすごさと、カメラマンの人々の思想というか哲学、それぞれの方の光の理解についてのお話を聞くのも興味深いです。

とういわけで最後におすすめのYouTubeチャンネルをご紹介しておきます。
光と人の話が聞ける回もあり、技術的すぎて全然わからん回もあり、です。しかしお声がとても心地よいので、流しているだけでもゆったりとした気分になれます。
最近おもしろかった回はこちら。

ではでは…
FZ55の話はまた今度。
スマホカメラも今は充実しております、皆様も素敵なカメラライフをお送りください!

桑坂 碧

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目に見えないものが普通に認められるようになってきたこの時世に、その時々に少しずつ変わっていく大切なことを逃さず、楽しみ、好きなものに手を伸ばし、書き残してい...

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