巴林石

石と魂の話


水晶岩笛のひとつずつにつけている、
シリアルナンバー・カードに押している判子がこれです。
巴林(ぱりん)石という石に篆刻しました。
篆刻は文字になる線の部分を彫るスタイル(白文といいます)だと
簡単にできますし、失敗しても紙やすりで削ってやり直せますから
興味を持たれました方はぜひ、自分の名前の判子を彫ってみて下さい。
彫刻刀も専用のもの一本(700円位)があればできます。
これに彫る時に固定する台(印床・2000円位)があれば、事足ります。
必要な道具と印材(石)がセットになった5000円位のセットもあります。
巴林石は、半透明で美しい石です。
画像の石のふちの方を見ると、少し光が透けている様子が
わかるかと思います。
篆刻の材料になる石にも、たくさんの種類があります。
あまり経験の無い中での感覚なんですが、
この巴林石と、芙蓉石(淡い黄色に茜色がさすような石)、
四川凍石(透明感が強い天然の氷のような白い石)、
青田石の良質のもの(油分を吸って味わいが出そうな石)が好きです。
まだ彫っていない、手のひらで転がして愛でているだけの印材が
いくつかあります。
これらの石は中国もしくは朝鮮半島あたりの石で、
翡翠もそうなんですが、古い時代の石を尊ぶ文化圏のようです。
篆刻に使う石も老抗の石だと数十万円とか、価値が凄いことになります。
現代の天然石ブームの中では聞かない名前の石ばかりですし
透明でキラキラでもないのですが、
「玉(ぎょく)」と呼ばれそうな優雅な雰囲気があり、
コロコロ・・・と涼しげな音色(玲)が石から聴こえてきそうで
私は好きなのです。
中国茶も飲んでいるとその情景が浮かぶような名前がつけられていますが、
石へのネーミングセンスにも同じものがあり、胸躍ります。
この判子も印泥の朱色が染みついて、いい感じになってきました。
印泥にも様々な朱色があります。
私は暗めの朱色が好きなんですが、まだその印泥は持っていません。
いずれ欲しいですね~。。。

桑坂 碧

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目に見えないものが普通に認められるようになってきたこの時世に、その時々に少しずつ変わっていく大切なことを逃さず、楽しみ、好きなものに手を伸ばし、書き残してい...

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